シリーズ 「更生保護」って何だろう?

「BBS」って何だろう? ともに考え、歩んでいく。「BBS」という関わり方。

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同世代の「ともだち」として

まずはじめに、BBSとは何でしょうか?
高坂さん BBSは「Big Brothers and Sisters Movement」の略称です。
非行などさまざまな問題を抱えた少年少女たちと、年齢の近いお兄さん・お姉さんのような身近な存在としてふれあいながら、彼らの立ち直りや自立を支援していく活動です。
この活動はいつごろから始まったのですか?
高坂さん 1904年にアメリカのニューヨークで始まった「Big Brothers Big Sisters of America」が原点と言われています。日本では戦後まもなく京都の大学生を中心として発足しました。当初は戦争で保護者を亡くすなどして街中で生活していた子どもたちの支援が目的だったようです。

“社会を明るくする運動”の先がけとなった「銀座フェア」と通じるものがありますね。ゆうかさん、ふうかさんは、どのような活動をしてこられたのですか?
ふうか 私たちは「早稲田大学広域BBS会」というBBS団体に所属して、おもに保護観察中の少年たちと交流してきました。活動内容としては「ともだち活動」「非行防止活動」「自己研鑽活動」を3本柱としています。
具体的にはどんな活動をしているのでしょう?
ふうか 「ともだち活動」はBBSの根幹となる活動で、保護観察中の少年と私たちBBS会員が一個人として向き合い、「ちょっと年上のお兄さん・お姉さん」として相談相手になったり、勉強を教えたりしています。

また、非行防止活動の一環として「グループワーク」も行っていて、BBSでイベントを企画し、少年たちを招待して交流を楽しむことによって、少年の心を開くきっかけを与える活動です。 私たちが毎年かならず実施しているのがバーベキューで、ほかにも都内散策やスポーツ、料理教室といったイベントを開催しています。

「ともだち活動」での個々のつながりをベースとしつつ、「グループワーク」などを通じてみんなとの交流を深めていくというスタイルなんですね。グループワークはどのくらいの頻度で行われるのですか?
ふうか だいたい3か月に1回くらいのペースですね。
どんな内容なのでしょう?
ふうか たとえば、私たちが主催したグループワークは葛西臨海公園で少年たちと過ごし、その後ボーリングをするというものだったんですが、少年たちに怪我がないよう、危険な箇所が無いかなどをチェックするためにリハーサルを行ったりして、準備には時間をかけましたね。
そういった配慮も必要とされるんですね。
ふうか はい。やはり少年たちを預かる責任がありますから。でも、参加してくれた少年が「楽しかった!」と言ってくれたので嬉しかったですね。BBSの活動は大変な部分もありますが、とてもやりがいを感じます。
ゆうかさんはいかがですか?
ゆうか 私は「ともだち活動」を通じて18歳の少年と関わりました。
その子は高校を中退していたのですが、高卒認定試験を受けたいという目標があったので、私ともう一人のBBS会員でペアを組み、学習支援という形でサポートしていました。
どの教科を教えていたんですか?
ゆうか 英語がほとんどで、たまに数学を見るような感じですね。
週一回くらいのペースで、担当の保護司さんのお宅をお借りしたり、近所の公民館のフリースペースなどを使って勉強していました。
思い出深いエピソードはありますか?
ゆうか 担当している会員と二人で神社にお守りを買いに行って、試験前日に彼に手渡したんです。そうしたら「わあ、ありがとうございます!」ってものすごく喜んでくれて。本当に嬉しそうで。そのときの笑顔は今でもはっきり思い浮かべることができます。

その後、高卒認定試験は見事に合格して、さらに大学に進学したいという新しい目標もできたので、その後も私たちで学習支援を続けていくことになりました。最終的に1年半もの期間に渡って関わることになり、心の通いあう関係を築くことができたので、とても印象に残っていますね。

すばらしいエピソードですね。ふうかさんはいかがですか?
ふうか そうですね。私が「ともだち活動」で受け持っていたのは18歳の女の子だったんですけど、本当に普通の子で。
テレビの話とかで盛り上がったりしてましたね。
年齢も近いですよね。
ふうか 同世代で気安く話せる雰囲気みたいなものもあると思うんですけど。でも本当に普通なんですよ。逆に「こんないい子なのにどうして?」ってびっくりするくらい。それが「ともだち活動」に携わってみていちばん驚いたことでした。
では、高坂さんにもお話を伺っていきたいと思います。
高坂さんは愛知県・名古屋を中心にBBS活動に携わっておられるとのことですが、ゆうかさん、ふうかさんにとってはBBSの先輩に当たりますね。この機会におふたりから質問があればぜひどうぞ。
ふうか 高坂さんは、もともとBBSについてはご存知だったんですか?
高坂さん いや、まったく知らなかったですね。25歳のときに非行少年と関わるボランティアがしたいと思い立って。インターネットで探してBBSの活動を知ったんです。
ふうか どうして非行少年に興味を持たれたんですか?
高坂さん じつは僕自身、非行や犯罪の経験があって。少年鑑別所や少年院にも何度か入っていたことがあるんです。でも24歳で犯罪からは完全に足を洗って。その後、介護士として老人介護施設で働いていたんですが、そこでの経験がBBSに入るきっかけになっています。

ゆうか どんなことがあったのでしょう?
高坂さん 日々接しているおじいちゃん・おばあちゃんが、僕と話すことをとても喜んでくれたんです。チラッと顔を見せるだけでも嬉しそうだし、1分でもいいから話したいんだ、なんて言ってくれたりして。それまでの僕は、自分は他人から必要とされていないと思っていたので、こんなにも僕とのつながりを大切にしてくれる人がいるんだ、ということに心打たれたんです。

それから少しずつ、自分にも何かできることがあるんじゃないかと考えるようになって。もしも自分が役に立てるとしたら、10代の非行少年たち、まあ過去の自分ですよね、そんな子たちに、僕のようにはなってほしくないし、一日も早く立ち直ってもらいたいなと。そのための活動だったら、僕のような人間でも関わっていけるんじゃないかと思ったんです。

最初は保護観察所に電話していろいろとお話を伺って。そのとき僕がちょっとひっかかってたのは、過去に自分も保護観察下にあった経歴があるので、そもそもBBSに入れないんじゃいかな…と不安だったんですが、「入れますよ」とあっさり言われて。それで嬉しくなってすぐに参加したんですけど。そこからがスタートですね。

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BBS会員 高坂朝人さん

自身の経験を元に、ボランティアとして少年院出院者たちの支援活動を続けている。NPO法人 再非行防止サポートセンター愛知理事長。愛知県BBS連盟運営委員。

ゆうか(BBS会員)

ふうか(BBS会員)

BBS会とは?
BBS(Big Brothers and Sisters Movementの略)会は、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決したり、健全に成長していくのを支援する青年ボランティア団体です。児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子どもとのふれあい行事なども実施しています。