シリーズ 「更生保護」って何だろう?

「保護司」に会いにいく 第1回 ていねいに、ていねいに、一人ひとりと向き合う。

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はじめて知った「保護司」という制度

ゆうか 中澤さんは、保護司になって長いんですか?
中澤さん 保護司になったのは平成10年なんですけど、長いかどうかは別として、
私としてはすごく中身の濃い10数年だったなあと思ってます。
ふうか 保護司についてはご存知でしたか?
中澤さん いえ、保護司という制度があるなんて、これっぽっちも知らなくて。
お声がけいただいたときは、「へえ、私が個人的にやってきたことに、
組織として取り組んでるところがあるんだ」ってびっくりしましたね。
ゆうか それまではどんなことをされてたんですか?
中澤さん 私ね、昔から危なっかしい人とか、
はじけちゃった子どもにアンテナが向くんですよ。
ちょっと隅っこにいる子を見かけると、サッと声をかけちゃう。
「なにしてんの?」とか「元気?」くらいですけど。
ふだんから近所でそんなことをしてたもんだから、
地域の保護司の方から推薦されて。
それで江東区の保護司会に顔を出したのが始まりです。
ゆうか そこで保護司の人たちにお会いしたんですね。
中澤さん そう。
「こんなに大勢の人が同じ方向を向いて活動してるんだ」って感動しましたね。
でも実際にやってみて分かったんだけど、保護司も十人十色なのよ(笑)。
考えは同じなんだけど、ちょっとやり方が違ったりね。
それがまたいいのかもしれないけど。

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環境を整えることから関わっていく

ふうか 保護司を引き受けることに迷いはありませんでしたか?
中澤さん 私、犯罪をした人や非行に走った子どもたちと相対するのは、
ぜんぜん苦じゃないんです。
子どもの頃から人と関わることが好きだったし。
よく「怖くないんですか?」なんて聞かれるんだけど、
怖い思いをしたことも無いですね。
ゆうか ご家族の反対なんかは…。
中澤さん 夫はまったく。あなたの好きにすればいいって。
私の性格を知ってるから(笑)。
娘は最初のうちは反対してましたよ。やっぱり心配だって。
でもね、まったく知らない人を受け持つわけじゃないから。
ふうか あ、そうなんですね。
中澤さん ええ。受け持つ地域は近くだし、事前にその人の生い立ちとか、
事件性なんかもきちんと把握したうえでお引き受けしますから。
ふうか 担当する前に調べるんですか?
中澤さん 少年院に入っている少年の場合だと、戻ってきたときに身元引受人が本当に引き受けてくれるのか、
家族構成、経済状況、家庭の指導力がどうなっているのか、
そんなことを前もって調べるんです。
彼らのお宅に伺って、それまでの生活態度や交友関係、
戻ってきた後にきちんと支えられるのか、
ご家族とお話しして報告書にまとめます。
ゆうか それも保護司さんが?
中澤さん そうなんです。
それから本人と手紙のやりとりをしたり、
少年院や刑務所まで会いに行ったりすることもありますね。

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保護司 中澤照子さん(保護司)

中澤照子さん(保護司)
平成10年に保護司を委嘱され、以来、江東区の保護司として多くの保護観察対象者を受け持ちながら、清掃活動や小学校での読み聞かせなどの地域活動にも積極的に参加している。

聞き手 ゆうか(BBS会員)

ゆうか(BBS会員)
大学3年生。大学のサークルでBBS会の活動に参加。学習ボランティアとして少年たちに勉強を教えたり、ともだち活動などを行っている。

聞き手 ふうか(BBS会員)

ふうか(BBS会員)
大学2年生。BBS会には1年前から所属しているが、活動への積極的な参加は今年から。現在、更生保護について勉強中。
保護司とは?
犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティア。法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが、給与は支給されません。保護観察官と協力して保護観察に当たるほか、犯罪や非行をした人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたとき、スムーズに社会生活を営めるよう、住居や就業先などの環境の調整や相談を行っています。現在、全国で約4万8,000人の保護司が活動しています。
BBS会とは?
BBS(Big Brothers and Sisters Movementの略)会は、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決したり、健全に成長していくのを支援する青年ボランティア団体です。児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子どもとのふれあい行事なども実施しています。