シリーズ 「更生保護」って何だろう?

「保護司」に会いにいく 第1回 ていねいに、ていねいに、一人ひとりと向き合う。

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『十人十色の一灯』で社会を照らす

ゆうか 人間関係をつくるところから、というのは大変そうです。

中澤さん お菓子をつくるにしても、料理するにしても、
下ごしらえが大事じゃないですか。
それとおんなじ。準備が80パーセント。
どれだけていねいに手をかけたのか、信頼を積み重ねたのか。
それによって心を開いてくれるかもしれないし、
それでも開いてくれないかもしれないし。
とにかく、ていねいに、ていねいに、ひとりずつ関わっていかないとね。
ゆうか すごい…。保護司さんにしかできない仕事だと思います。
中澤さん でもね、「一隅を照らす」って言葉がありますけど、
私はね、『十人十色の一灯』っていうキャッチフレーズを思いついたんですよ。
保護司だけじゃなく、
社会の一人ひとりが灯りを持ってて欲しいという気持ちを込めて。
一灯っていうのは、ペンライトでもロウソクでも、なんでもいいんです。
ひとつひとつは小さくて構わない。
道に迷ってる人を見守ってくれる気持ちというか、希望のようなもの。

ふうか 私たちも灯りになれるということですか?
中澤さん もちろんですよ。非行に走った子たちも、
先に灯りが見えてるのは分かってるのよね。
灯りがあることは感じてるんだけど、
どの道を行ったらそこにたどり着けるのか分かんない、
目標が見えないみたいなね。
だから、みなさんもひとつずつ、
小さな灯りを持ってるんだって思っててくれてたらいいなって。
そうしたら、道に迷ってる人だって「あの人は笑顔で迎えてくれる」
「まっすぐに話を聞いてくれる」って安心できるじゃないですか。
そういうのも灯りのひとつだと思うんですよね。

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保護司 中澤照子さん(保護司)

中澤照子さん(保護司)
平成10年に保護司を委嘱され、以来、江東区の保護司として多くの保護観察対象者を受け持ちながら、清掃活動や小学校での読み聞かせなどの地域活動にも積極的に参加している。

聞き手 ゆうか(BBS会員)

ゆうか(BBS会員)
大学3年生。大学のサークルでBBS会の活動に参加。学習ボランティアとして少年たちに勉強を教えたり、ともだち活動などを行っている。

聞き手 ふうか(BBS会員)

ふうか(BBS会員)
大学2年生。BBS会には1年前から所属しているが、活動への積極的な参加は今年から。現在、更生保護について勉強中。
保護司とは?
犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティア。法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが、給与は支給されません。保護観察官と協力して保護観察に当たるほか、犯罪や非行をした人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたとき、スムーズに社会生活を営めるよう、住居や就業先などの環境の調整や相談を行っています。現在、全国で約4万8,000人の保護司が活動しています。
BBS会とは?
BBS(Big Brothers and Sisters Movementの略)会は、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決したり、健全に成長していくのを支援する青年ボランティア団体です。児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子どもとのふれあい行事なども実施しています。