シリーズ 「更生保護」って何だろう?

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「保護司」に会いにいく 第3回 「保護司に会いにいく」インタビューを終えて

はじめて保護司とじっくりお話しすることのできた2人。
インタビューを通じて感じたことをまとめてもらいました。

ゆうか

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インタビューでは、中澤さんの保護司活動にかける情熱がひしひしと伝わってきて、
何度も圧倒されそうになりました。

困っている人がいたら助ける。
相手のことを心の底から心配して立ち直りの支援をする。
中途半端ではないその情熱が非行・犯罪に走ってしまった人の立ち直りを
支えてきたのだと思います。
社会的なつながりが希薄になっていると言われて久しい日本でも、
他人のことを心配して、助けてくれる人がいる、
その事実だけで希望が持てるように思います。
多少のおせっかいを焼いてくれるほうが私たち人間は、
自分のことを思ってくれる人がいると気付き、嬉しいのかもしれません。

もっとも印象に残った言葉は「『絆』という字は、
糸を半分持っていればいいんだよ」という言葉です。
東日本大震災の影響で「絆」という文字がクローズアップされることが多い昨今ですが、
その文字に私もどこかでわずらわしさ、
うっとうしさを感じていました。
人とのつながりが必要ないわけではないけれど、いつもつながっていよう、
絆を大切にしようというメッセージは、一人でいたいとき、
物思いにふけりたいとき、うっとうしく感じてしまう人も多いはずです。
しかし、中澤先生の「糸を半分持っていればいい」というお話を聞いて、
少し心が軽くなったような感じがしました。

適度に相手と関わり、相手が自立できるところは自立を促す。
相手にどっぷりとつからず相手に振り回されず、適度な距離関係を保つ。
糸を半分持っていれば、おたがい安心できて、希望の光が見える。
というお話に感激しました。
他人を気にかけたり、相手のことを思う心は、情熱に溢れているけれど、
持つ糸は半分でよいのです。半分しか持たないのではなく、
相手が立ち直りを自分で考える余地を与えるために、
半分だけ持つのだと思いました。

私の中で、保護司さんのイメージは「懐が深く、大きな愛で包み込んでくれそうな方」
でした。中澤先生はまさにそのイメージにぴったりな方だと思いました。

ふうか

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保護司になられる前から、
地域の子どもたちに声掛けを行っていたという中澤さん。
地域に自らこのような活動をなさっている方が
いらっしゃるとは知らなかったので、驚きました。
同時に、声掛けといった活動は、
犯罪を予防する手段の一つとして有効なのではないかと思いました。

保護司さんの活動はボランティアということですが、
面接などを自宅で行うことには驚きました。
家族で住んでいらっしゃる場合、家族の理解が必要になります。
しかし、保護司さんの自宅で行うからこそ、少年たちが安心して
心を開きやすいのではないかなと思いました。

『絆という文字のように、たとえ細くてもお互いに糸をもって別れる』、
というお話には、地域と積極的につながりを持ち、
人間関係を大切にされている中澤さんのお人柄が現れているように思いました。
また、このようなつながりが、犯罪を予防するとともに、
罪を犯してしまった人の立ち直りにつながるのだと感じました。

インタビューの終わりにいただいたカレーは、
”あたたかい家庭の味”でとてもおいしかったです。
少年たちとの面接の後に出されているということですが、
彼らがこのカレーを楽しみにしている理由がわかりました。

『いつも、人と別れるときには「さようなら」とは言わず、
「またね」と言う』、と中澤さんはおっしゃっていましたが、
私たちが取材を終え、帰るときにも「またね」と言ってくださいました。
またお会いできる日が楽しみになり、温かい気持ちになりました。

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保護司 中澤照子さん(保護司)

中澤照子さん(保護司)
平成10年に保護司を委嘱され、以来、江東区の保護司として多くの保護観察対象者を受け持ちながら、清掃活動や小学校での読み聞かせなどの地域活動にも積極的に参加している。

聞き手 ゆうか(BBS会員)

ゆうか(BBS会員)
大学3年生。大学のサークルでBBS会の活動に参加。学習ボランティアとして少年たちに勉強を教えたり、ともだち活動などを行っている。

聞き手 ふうか(BBS会員)

ふうか(BBS会員)
大学2年生。BBS会には1年前から所属しているが、活動への積極的な参加は今年から。現在、更生保護について勉強中。
保護司とは?
犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティア。法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが、給与は支給されません。保護観察官と協力して保護観察に当たるほか、犯罪や非行をした人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたとき、スムーズに社会生活を営めるよう、住居や就業先などの環境の調整や相談を行っています。現在、全国で約4万8,000人の保護司が活動しています。
BBS会とは?
BBS(Big Brothers and Sisters Movementの略)会は、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決したり、健全に成長していくのを支援する青年ボランティア団体です。児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子どもとのふれあい行事なども実施しています。