シリーズ 「更生保護」って何だろう?

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「更生保護施設」に行ってみる 第3回 「更生保護施設に行ってみる」インタビューを終えて

ふだん、あまり見学する機会のない更生保護施設。
実際に取材した2人のレポートをご紹介します。

ゆうか

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更生保護施設と聞くと、当初は、食事と寝る場所といった、生活に最低限必要な場や物を提供するというだけの役割であると思っていました。
しかし、実際に訪問させていただき、お話を伺うと、ただ物理的な援助を行うだけでなく、自立するための様々な支援やプログラムを行っていると知り、また、職員の皆様の情熱が伝わってきて、感銘を受けました。

全員で食事をとるのはもちろん、挨拶や当番制による毎日の掃除など、基本的な生活習慣を身につけさせるために、このような小さなことにも力を入れて行っているという点が印象に残りました。
施設内の床や手すりはとてもきれいで、塵ひとつ落ちていなかったのをよく覚えています。

また、自立に向けた就労指導においても、これらの挨拶や整理整頓といった習慣が身についているおかげで、就労に至るケースもあると聞き、私たちも怠りがちで、しかし、社会生活を送る上で基本となる挨拶や掃除といった行動の重要性を感じました。
それと同時に、このような行動が、人からの信頼感を得るだけでなく、人として社会の中で生きていく上で欠かせないものなのだと思いました。

両全会では、全国の更生保護施設に先駆けて、薬物離脱指導「ローズカフェ」も行っていると聞き、このような施設で指導を行うことで、再犯に走らずに自立へと向かう大きな可能性を感じました。
また、薬物離脱指導だけでなく、パソコン教室や美容教室、料理教室、ファッションショーなど、実に様々な教養指導が行われており、充実した生活が送れるよう多くの工夫がなされていることに、職員の皆様の、対象者への「立ち直ってほしい」という思いを感じました。

このようなプログラムに多くの工夫がなされているのは、ひとえに、職員の皆様の情熱によるものなのだと思います。対象者とともに生活を送ることで、対象者への物理的な支援のみならず、精神面も支えていらっしゃいます。
時には厳しく、また時には優しく、対象者のことを思って、必要な指導・支援をされていると聞き、職員の皆様の熱心さを感じました。
対象者にとっては、職員の方々は他人なのに、自分のことをこんなに本気で考えてくれる人がいる。それを知るだけで、自立に向けた一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

ふうか

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更生保護施設を見学させて頂いて印象に残ったのは、支援の手厚さでした。
施設の方が、時には厳しく時には優しく、入所者と接されていることが伝わって来て、アットホームな雰囲気を感じました。
朝晩の食事を皆でとっていることも家庭的であるように思いました。

また、自立のために就労指導を徹底していて、
1円単位でお金の管理をしていることには、驚きました。
毎日の掃除も細かく当番が分かれていて、互いにチェックする体制をとっているそうです。これらの生活指導は、施設を出てから役に立つだろうと思いました。
女性の施設である両全会は、薬物事犯の対象者が多いそうで、
薬物離脱プログラムが充実していました。
外部の機関ではなく、施設の中でプログラムを受けられるのは、入所者にとって心強いものだと思います。
退所後もこのプログラムに通う場合もあるなど、このような制度の重要性を感じました。

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両全会理事長 小畑輝海さん(両全会 理事長)

小畑輝海さん
(両全会 理事長)
更生保護法人 両全会理事長。保護司・篤志面接委員。平成19年より両全会理事長を務め、長期的なケアをめざす自立準備ホーム「ホームみどり」や、薬物離脱のための認知行動療法プログラムを取り入れた「ローズカフェ」プロジェクトなど、画期的な取り組みを展開している。

山田美代子さん(両全会 補導主任)

山田美代子さん
(両全会 補導主任)
栃木刑務所などの刑事施設で刑務官を歴任した後、両全会へ。補導主任として寮生の生活指導と就労支援を担当している。ときに厳しく、ときに温かく一人ひとりの寮生と関わる「叱る担当」。

外屋敷岩子さん(両全会 福祉補導員)

外屋敷岩子さん
(両全会 補導員)
八王子医療刑務所にて看護師として勤務した後、両全会へ。福祉関連の窓口として福祉補助が必要な寮生の生活保護(医療扶助)の申請の手助けや、通院の付き添いなどのサポートに携わる。

聞き手 ゆうか(BBS会員)

ゆうか(BBS会員)
大学3年生。大学のサークルでBBS会の活動に参加。学習ボランティアとして少年たちに勉強を教えたり、ともだち活動などを行っている。

聞き手 ふうか(BBS会員)

ふうか(BBS会員)
大学2年生。BBS会には1年前から所属しているが、活動への積極的な参加は今年から。現在、更生保護について勉強中。
更生保護施設とは?
刑務所や少年院を出た人の中には、生活環境に恵まれなかったり、本人に社会生活上の問題があるなどの理由で、すぐに自立更生ができない人がいます。こうした人たちを一定の期間保護し、その円滑な社会復帰を助け、再犯を防止する役割を担っているのが更生保護施設です。更生保護施設は、宿泊場所や食事を提供するとともに、更生を果たすために必要な指導や援助を行い、入所者の自立と再出発を支えています。
更生保護施設 両全会
1917年、市ヶ谷刑務所の教誨師であった藤井恵照により創設。現在の定員は女子20名(成人17名・少年3名)。女性のための更生保護施設として、「パソコン教室」「リハビリメイク教室」などの先進的な教育・処遇を導入。2011年、自立準備ホーム「ホームみどり」を開設。2012年には、薬物依存者の再犯防止と自立による社会復帰を目的として「ローズカフェ」プロジェクトを開始した。
BBS会とは?
BBS(Big Brothers and Sisters Movementの略)会は、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決したり、健全に成長していくのを支援する青年ボランティア団体です。児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子どもとのふれあい行事なども実施しています。