2026.08.26 保護司組織活動活性化事業
【美方保護区】中学生・高校生のための演劇による犯罪・非行防止教室
保護司組織活動活性化事業に対する助成について
保護司組織活動活性化事業に対する助成は 更生保護法人立川更生保護財団 及び ㈱ひまわりサービス からのご厚意による助成金を基に、保護司組織が実施する安全安心な地域社会を実現するための効果的な活動、更生保護関係団体相互の連携の強化や他の団体を含む地域ネットワークの構築に資する活動、保護司適任者の確保や保護司会の活力の増強に資する活動等に対し実施しています。このページでは保護司組織の活動報告書からその一部を紹介します。
美方保護区保護司会(兵庫県)
【活動の名称】中学生・高校生のための演劇による犯罪・非行防止教室
対象とした中学生・高校生に犯罪・非行の防止を効果的に啓発するため様々な視点から工夫を凝らした活動です。保護区内の香美町人権推進室及び新温泉町人権推進室と共催することは、生徒たちだけでなく、取り巻く地域環境への働き掛けにもなり、地域全体での更生保護への理解が深まることが期待できる事業です。(全国保護司連盟)
【活動の目的・趣旨】
①美方保護区内の地方公共団体や他の更生保護団体と協力し合い、犯罪者の更生に対する地域社会の理解をさらに深める。
②誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合う共生社会と更生保護を繋げ、共に支え合う社会をめざす。
【活動の実施状況】
①「中学生のための犯罪・非行防止教室」リハーサル
6月1日、6月12日 参加スタッフ実数6名
②「中学生のための犯罪・非行防止教室」開催
6月13日、7月3日、7月11日、7月16日
計4校 参加生徒数合計194名、参加教職員数合計26名、参加保護者数23名、 参加スタッフ数7名
③「高校生のための犯罪・非行防止教室」開催
7月12日、7月16日 計2校
参加生徒数合計185名、参加教職員数合計11名、参加スタッフ実数7名
○取り入れた劇のストーリーは近年の社会状況や学校からの要望を考慮。悪いことをすれば逮捕され、少年院に入れられる現実を生徒に伝えました。
①「誹謗中傷は絶対ダメ!」
SNSのグループLINEでささやかなきっかけから始まった誹謗中傷がエスカレート
②「大麻は絶対ダメ!」
先輩から大麻を進められた高校生がやがて大麻を購入するため強盗を犯してしまう。
【活動の実施による効果】
○保護司の存在と活動目的、保護司制度の社会的役割等を広く発信する好機となった。
○前年度の実績を踏まえ、開催対象を中学校に拡充したことにより保護司に対する理解を深めることができた。また、保護者参加の学校もあり、地域住民への啓発機会となった。
○スタッフを務めた保護司間の人間関係が深まり、保護司会活動全体の活性化に資することにつながった。
○保護司会と学校・行政間の連携強化、信頼関係の構築を推進することができた。
○広報誌への掲載により地域での保護司会活動に対する関心の深まりに成果を感じた。
○活動へ参加した保護司の自己有用感・成就感の高揚につながった。
○参加した生徒の満足度の高さ、教職員からの感謝の言葉から、当活動に対しての高い評価を得ることができた。このことは、今後の活動意欲を一層喚起した。
○開催校の教員に演劇へ参加してもらうことにより、生徒の犯罪・非行防止に対する関心を一層高めることができた。
【配慮・工夫をした点・今後の課題等】
○参加生徒の社会的認識の状況、発達段階等を考慮した「分かりやすい」内容に努めた。
○出前授業をする中学校、高校に事前に出向き、管理職(校長先生、教頭先生、担当の先生)と打ち合わせし、授業の展開内容を文書で提示し、学校の意見や要望を聞いたり、授業をする会場や着替え室などを視察した。
○学校側から、いじめやからかいを防ぐ授業内容を取り入れてほしいという要望があったため、授業の前半を「共生社会」について講話(人権擁護委員の長戸ゆかり先生)、後半に劇を実施した。劇には実施した学校の先生にも登場していただき、児童生徒の関心を一層高めることができた。
○視覚に訴え、理解しやすいよう、パーワーポイントによるプレゼンテーションを使用した。
○犯罪・非行が人生を大きく左右すること・著しい人権侵害を生じさせることを強調した。
○生徒を飽きさせないように、笑いを取り入れた演劇を中心として発表内容を構成した。
○授業時間内に終了する設定をした。
○終了後の生徒へのアンケートを実施し、内容等に関する課題を把握するとともに、次年度以降の実効性高い内容を探るための検証資料とした。
○スタッフの増員、より効率的な活動による負担軽減等が課題である。
○活動に伴って発生する費用を保護司会で負担することが大変困難である。本年度、本事業の補助金交付を受けて「中学生・高校生のための犯罪・非行防止教室」を拡充実施することができた。次年度以降の支援継続を切に願う。
○美方保護区内全校での開催に努める。
○他の団体との連携開催によって活動の広がりや活性化を図りたい。
【犯罪・非行防止教室を実施に当たり学校側の反応等】
①犯罪非行防止教室は、令和5年度から開始し、令和6年度までで2年間実施している。令和5年度は高校のみ実施し、令和6年度は中学校にも対象を広げて実施した。令和5年度と6年度は、各学校に出向き、直接校長先生に出前授業の開催をお願いし、ほとんどの学校で開催を承諾していただいた。
しかしながら、出前授業した学校数が多く、我々スタッフ(美方保護司会、人権擁護委員、美方地区更生保護女性会)にも疲れ(負担感)が見えた。
このため、令和7年度は、学校訪問して開催依頼をすることはやめ、犯罪非行防止教室の開催を希望するかどうかの文書を各校に郵送し、回答していただいた学校のみの開催としたいと思っている。
②生徒の非行を防ぎたいという思いがどの学校にも強く感じられ、学校の事情で断わられることはなかった。ほとんどの中学校と高校から出前授業の開催の希望があったが、1学期の7月に出前授業を希望する学校が多く、1日に2校実施することもあり、調整するのに苦労した
【アンケート結果から見たまとめ】
①「この授業の内容を理解しましたが?」という問いに対し、中学生では、すべての生徒がこの授業はわかりやすかった(94%) だいたい分かった(6%)という回答であった。大道具や小道具を用いて劇を取り入れ、色々と工夫したことで人権や犯罪についての理解が深まったようだ。
②共生社会についてよく理解できており、障害者や困っている人にもやさしく接したいと思っている。
③いじめ、からかい、誹謗中傷についてお互いに注意し合うという意見が多くみられた。
④「この出前授業を聞いて、今後どのような事に気をつけたいですか?」という問いに対し、人の悪口を言わない(39%)、相手の立場に立って話をする(22%)、誹謗中傷に気をつける(22%)、SNSトラブルに巻き込まれない(10%)、その他(19%)という回答であった。
⑤保護司会、更生保護女性会、人権擁護委員が連携して実施することで、多くの視点から生徒にわかりやすく人権や犯罪について伝えることができたと思う。
(令和6年度事業)
