保護司になるには

 保護司になるのに、専門的な知識・経験や資格が必要とされているわけではありません。会社員、公務員、商店や工場の自営、農林水産業など、様々な職業の方や、これらの仕事を退職された方、宗教家、家庭の主婦(夫)の方などが保護司として活動されています。

 ただし、保護司になるには、次の条件を備えている必要があります(保護司法 第3条第1項)。

  • 人格及び行動について、社会的信望を有すること
  • 職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること
  • 生活が安定していること
  • 健康で活動力を有していること

 また、禁錮以上の刑に処せられた人などは保護司にはなれません(同法第4条)。

 保護司は法務大臣によって委嘱されます。委嘱の手続は、法務省の出先機関である保護観察所で行っています。保護観察所は都道府県ごと(北海道は4か所)に設置されていますので、関心のある方は、最寄りの保護観察所の企画調整課にお問い合わせください。
 なお、保護観察所では、上記の条件等を踏まえて法務大臣への推薦の適否について検討するため、希望する方が必ず保護司に委嘱されるものではありません。

よくある質問
保護司になるのに年齢の制限はありますか。
 新たに保護司を委嘱する場合には、原則として66歳以下とされています(ただし、特別な事情がある場合には例外も認められています。)。
 一方、下限については明確な定めはありませんが、人格や行動について社会的信望を有することや生活が安定していることなどの条件を満たす必要があります。
保護司の活動はとても難しそうです。専門的な知識や経験のない人に務まるでしょうか。
 特定の専門的な知識や経験、資格などは必要ありません。
 保護司を委嘱された後に、保護観察所等が実施する保護司研修に参加して、活動に必要な知識や技能等を身に付けていただくことになります。研修は、保護司の経験年数に応じて実施されるもの、保護司会単位で定期的に行われるものなどがあります。また、活動に当たっては、国(保護観察所)の専門職員である保護観察官や、先輩の保護司等からの助言や指導も行われます。
犯罪や非行をした人とかかわることで、危険はないのでしょうか。
 保護観察等の対象者の大半は、二度と犯罪や非行をせずに生活したいと思っています。それでも残念ながら再犯・再非行に至る事案はありますが、担当の保護司の方に直接危害を加えるようなケースはほとんど発生していません。
 なお、万が一そのような事案が発生した場合を想定して、見舞金や保険金を給付する制度が設けられています。
昔、非行があって保護観察処分を受けたことがあります。そういう人は保護司にはなれないのでしょうか。
 少年のときに保護処分を受けていても、保護司になるのに支障はありません。
 禁錮以上の刑に処せられた人は保護司になることはできませんが(保護司法第4条)、刑の執行を終了した後、罰金以上の刑に処せられることなく10年経過した場合には刑は消滅するとされており(刑法第34条の2)、保護司になることも可能になります。
 罰金刑の場合は保護司になれないということはありません。
 ただし、いずれにしても、「人格及び行動について、社会的信望を有すること」という条件に照らして保護司候補者として適任であるかが判断されることになります。
保護司にならないかと言われていますが、いきなり保護司になるのは不安です。引き受ける前に少し体験してみることはできないでしょうか。
 そのような方のために、保護司活動インターンシップという制度があります。保護司の活動の一部(保護観察対象者等の個人情報を取り扱わない活動に限られます。)を実際に体験してもらうことで、保護司活動への理解を深めてもらうものです。
 なお、保護司活動インターンシップは、保護司の候補者になっている方だけでなく、保護司活動に関心がある地域住民の方や、地域の関係機関・団体に所属されている方なども参加することができます。
 詳しいことは、最寄りの保護観察所にお尋ねください。
保護司になるのは難しいと思っていますが、更生保護の活動には興味があります。保護司以外に更生保護にかかわる道はあるでしょうか。
 保護司以外にも様々なボランティアや団体が更生保護にかかわっています。御自身にあった活動を考えてみてください。

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